子育て・教育令和7年 第4回定例会(2025年12月)
学校教育における用語について
なぜ取り上げたか
「不登校」という言葉そのものを議会で問いました。不正、不良、不健全、不潔、不愉快、不自然、不利益、不注意、不適切——「不」がつく言葉は、どれも否定を意味します。その並びの中に「不登校」が置かれている。学校が合わない子、感覚過敏で騒音に耐えられない子、ゆっくりが好きな子、人間関係で疲れた子、自分に合う学び方を選ぶ子。一人ひとりの理由は問題ではなく選択のはずなのに、「不」の一語が全部をまとめて否定してしまう。背景には、夏休み明けに子どもの自殺が増えるという現実があります。この質問をした令和7年12月の時点で最新だった2024年の小中高生の自殺者数は529人で過去最多。その後公表された2025年は538人となり、2年連続で最多を更新しました(厚生労働省・警察庁「令和7年中における自殺の状況」)。何をしてほしいという要望ではなく、考えるきっかけになればと思って取り上げた質問です。
質問した内容
- 1.不登校児童生徒に関する用語・対応
市の答弁
- 学校教育部長は用語の由来から答弁した。「かつては、学校へ行かない児童生徒につきましては、登校拒否という用語が一般的に使われておりました。しかし、拒否という言葉がふさわしくないという考えに基づき、児童生徒が登校しない、あるいはしたくてもできない状況にあることとして、不登校という用語を用いるようになりました」。そのうえで「不登校という用語は、断じて子供を否定したり責めたりする言葉ではなく、あくまで文部科学省の通知や統計上、制度上の用語である」「どの子にも起こり得るものとして認識しております」と答弁した。
- 不登校を問題ではなく選択肢と位置づける考えを問うと「教育委員会といたしましては、そもそも不登校が問題であるという認識にはございません」と明言。「学校では学校復帰のみをゴールとするのではなく、子ども相談室や自宅でのオンライン授業、スペシャルサポートルームやメタバース支援、フリースクールなど、学校以外の学びの場を選択できることについて子供や保護者に対して周知を図っております」とした。
- 学校外で学ぶ子どもの尊重について「欠席の続く子供たちに対する支援の出発点は、学校に戻すことではなく、学びの保障を行うことであると捉えております」と答弁。一定の条件を満たせば学校外の活動が出席扱いになる文部科学省の通知にも触れ、「誰一人取り残さない教育を推進してまいります」とした。
- 義務教育の「義務」は保護者に課されたもので、子ども本人に登校の義務はない——この法的事実を市民に周知する考えを問うと、「義務教育の義務について市民に正しく理解をしていただくことは、子供たちの安心と安全を守り、多様な学びを尊重する地域社会の実現につながる」「誤った認識によって子供や家庭が追いつめられることのないよう、関係各課と連携しながら丁寧に周知できるよう検討してまいります」との答弁を得た。
- 長期休業明けの自殺予防については、各学校のアンケートによる実態把握に加え「長期休業終了前にはtetoruを活用し、保護者宛てに自殺予防のメッセージを送付しております」と答弁した。
質問の結果・その後
- 「そもそも不登校が問題であるという認識にはございません」「支援の出発点は、学校に戻すことではなく、学びの保障を行うこと」——朝霞市教育委員会の立場を、議会の記録として明確に残せたことがこの質問の成果です。
- 義務教育の「義務」が保護者に課されたものであることの周知については「丁寧に周知できるよう検討してまいります」との答弁でした。実際にどう周知されるかを、引き続き確認していきます。
- 朝霞市には、子ども相談室、自宅でのオンライン授業、スペシャルサポートルーム、メタバース支援、フリースクールとの連携という選択肢があることが答弁で示されました。お子さんのことで悩まれている方は、一人で抱えず学校か教育委員会にご相談ください。
