DX・デジタル令和7年 第1回定例会(2025年3月)
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進について
なぜ取り上げたか
国の方針で、全国の自治体は基幹業務システムを国のクラウド(ガバメントクラウド)へ移行することになりました。国の試算では、これで運用経費が3割ほど下がるはずでした。ところが朝霞市では、質疑の答弁で「逆に2倍に増える見込み」だと示されていました。私は元システムエンジニアで、いまも自分でプログラムを書いています。なぜそうなるのか、原因の見当がついたので、具体的な代案を持って質問に臨みました。
質問した内容
- 1.標準準拠システムへの移行状況と課題
- 2.共同利用方式の効果
- 3.生成AI活用の検討
- 4.DX推進の方針・ビジョンと専門人材確保
市の答弁
- 総務部長は移行状況について、「令和7年度中を期限とする移行完了に向けて、標準化の対象となる20業務の所管課において、現行システムと国から示された標準仕様書を比較し、これまでと同様の使い方ができなくなる機能や帳票を洗い出して、既存業務フローの見直しを含めた今後の対応方針の検討に取り組んでいる」と答弁。移行完了は令和7年12月の予定とされた。
- 課題については「独自で実装してきた機能が標準化により落とされてしまうことへの対応」「職員に新たなシステムの操作を速やかに習熟させ、円滑にシステムの切替えを進めていくこと」。どうしても落とせない機能は連携システムの構築も一つの手段としたうえで、移行前に検証環境を構築し試行期間を設けると答弁した。
- 費用について、総務部長は「国の推奨に従いガバメントクラウド共同利用方式を採用しておりますが、運用経費が2倍程度となる見込みであることは市としましても課題であると認識しております」と明言した。
- そこで私は、原因は業務ごとに別々のベンダーへ発注し、サーバーもばらばらに管理する縦割りが生むベンダーロックインだと指摘。「サーバー自体は市のほうで準備して、市のほうで共通の仕組みを統一して、OSはリナックスで、バックエンドの言語は何々、フロントエンドの言語は何々といった形でルールを決めておく。サーバー自体は市が管理して、アプリの部分だけを業者さんに発注するようにすれば、小さな業者さんでも入ってこられる」という具体案を示した。
- これに対し総務部長は「御提案いただいた方法はコスト削減のほか、幅広いベンダーが参入しやすくなることからも、有効な方策の一つかと考えます」と答弁。ただし令和7年度末の期限を前に「まずは市民生活に影響を来さないことを最重視し、安定かつ着実に移行できる方策として、ガバメントクラウド共同利用方式を採用し、作業を進めてまいりたい」とした。
- 移行完了後については「国の標準仕様に準拠した様々なベンダーのシステムがガバメントクラウド上で提供されることになるため、現行ベンダーのシステムからほかのベンダーへのシステム変更もこれまで以上に容易になる」との見通しを示した。
質問の結果・その後
- 「運用経費が2倍程度となる見込み」——国が3割の削減を見込んだ制度が、朝霞市では逆に倍増する。この認識を市が議会の場で認めたことが、この質問の成果です。
- 私が示した「サーバーは市が持ち、共通ルールを決めて、アプリの部分だけを発注する」という方式について、市は「有効な方策の一つ」と答弁しました。今回の移行では採用されませんでしたが、選択肢として記録に残りました。
- 移行の期限は令和7年度中、完了予定は令和7年12月。標準化の対象は20業務で、市にはこのほかに26業務があります。移行後にベンダーの乗り換えが本当に容易になったのか、運用経費は下がったのか——結果が出る時期に改めて確認します。
- デジタル化は、進めるほどコストが増えては意味がありません。技術の中身が分かる人間が議会にいることの意味は、こういう場面にあると考えています。
