DX・デジタル令和7年 第1回定例会(2025年3月)

デジタル活用による行政サービスの向上について

なぜ取り上げたか

令和7年2月に松下昌代市長が就任し、初めて迎えた定例会での質問です。市長は選挙公約で「デジタル技術を活用した未病対策」「強い財政を誇るまち」「市民情報アプリの開発」を掲げていました。公約は掲げた時点では言葉です。それが具体的に何を指すのか、いつまでに何をするのかを、市長本人に一つずつ確かめました。この日の答弁は、部長ではなく市長が直接立って答えています。

質問した内容

  • 1.デジタル活用による未病対策
  • 2.行政コスト削減のためのデジタル施策
  • 3.市民情報アプリの開発

市の答弁

  • 未病対策について市長は「疾病に関する各種データというものを活用して、それを分析し、エビデンスに基づいた効果的な健康対策につなげていきたい」「具体的には国民健康保険の健診の結果、そしてまた疾病の状況のデータなどから予防につながる効果的な事業に取り組んでまいりたい」と答弁した。
  • 健康管理アプリとウエアラブル端末については、「市民全体の健康データというものは各保険者が保有をしているというところで、収集できない状況」という前提を示したうえで、健康管理アプリは「健康というものを見える化ができ、自らの健康状態を知るというところで、生活習慣の見直しや予防につながる」として「今後、それは検討していきたい」。ウエアラブル端末は「導入の費用が高く、高額になる」「バッテリー、その他、水とか汗とか、そういった維持管理の点で注意するというところも多い」として「導入をしている自治体の状況などは確認をしてみたい」との答弁だった。
  • 行政コスト削減については「デジタル化により削減したそういったコストをほかの市民サービスに振り替えるといったことで、行政の効率化に限らず、市民サービスの質の向上ということも実現をしてまいりたい」。具体策として「行政の手続のオンライン申請を拡充し、24時間いつでも申請可能な環境を整えていく」「子育て支援のアプリ、導入」を挙げ、同時に「御高齢の方やデジタルに不慣れな方に対しては、そういった方に対する支援」「従来の紙での申請や窓口での手続というものを継続ということも検討してまいりたい」と、置き去りにしない方針も示した。
  • 市民情報アプリについては「導入には内容の検討であったり、開発等に時間を有するというところがありますので、まずは既存の各ツールを最大限生かした情報の発信、そしてまた掲載方法などを検証していきたい」との答弁。新規開発は当面行わない方針が示された。
  • 外部の専門人材については「長期的な登用ということにつきましては、現在のところ具体的な予定というものはございません。しかしながら必要があれば検討することも選択肢の一つ」。一方で人材交流については、令和5年度から令和6年度にかけてデジタル庁が所管する地方公共団体情報システム機構へ職員1名を派遣したことを明らかにし、「このような人材交流の機会というものは積極的に活用してまいりたい」とした。
  • DXの方針については「令和4年度に朝霞市行政情報デジタル化推進方針というものを定めるとともに、行政改革推進実施計画におきましても、集中的に実施する取組としてデジタル化の推進というものを位置づけております」と答弁。職員研修は「デジタル化自体が目的とならないように取り組んでいくことが重要」として、創造的な思考を促すワークショップ形式の研修を継続するとした。

質問の結果・その後

  • 就任直後の市長から、公約の中身を答弁として引き出せました。市民情報アプリは「まずは既存ツールを最大限生かす」、外部専門人材は「現在のところ具体的な予定はない」——期待を持たせる言葉ではなく、現在地がはっきりした答弁です。
  • 一方で前進した点もあります。オンライン申請の24時間化、子育て支援アプリの導入、健康管理アプリの検討は、市長自身の言葉で方向性が示されました。あわせて「紙での申請や窓口での手続の継続も検討」と、デジタルが苦手な方を置き去りにしない姿勢も確認できました。
  • 市民情報アプリについて私は、和光市のように公式LINEの機能を充実させるほうが、開発期間もコストも抑えられるのではないかと申し上げました。DX推進の体制についても、横串を刺すには副市長級が必要ではないかと提案しています。
  • 公約は、掲げた後に何が実際に動いたかで評価されるべきものです。オンライン申請の拡充と子育て支援アプリが実際にどこまで進んだかは、今後の議会で確認していきます。
朝霞市議会議員 わたなべ竜二
この記事の執筆・検証:わたなべ竜二 (朝霞市議会議員・国民民主党)

元システムエンジニア。朝霞市の暮らしの情報を、市などの公式情報と照合して掲載しています。 誤りに気づいたら、ページ内のLINEからそのまま教えてください。