朝霞市の9月議会で決まること|学童3クラブの運営者と、タブレット10,780台の6.6億円
朝霞市議会議員のわたなべ竜二です。
朝霞市議会の9月議会(令和8年第3回定例会)が、8月27日に開会しました。市長から18本の議案が提出されています。
議案という言葉は硬いですが、中身は暮らしに直結します。今回でいえば、学童保育の運営を誰に任せるか、子どもたちのタブレットを何台いくらで買うか。どちらも、お子さんがいるご家庭には他人ごとではありません。
市が公表している議案書と参考資料をもとに、整理します。
議案の全体像
| 種類 | 本数 | 内容 |
|---|---|---|
| 決算の認定 | 6本 | 令和7年度の一般会計・国保・介護・後期高齢者医療・水道・下水道 |
| 補正予算 | 4本 | 令和8年度の一般会計(第2号)と3つの特別会計 |
| 条例の改正 | 3本 | 印鑑条例・市税条例・障害者ふれあいセンター条例 |
| 指定管理者の指定 | 2本 | 自転車駐車場、放課後児童クラブ |
| その他 | 3本 | 人権擁護委員の推薦、工事請負契約、財産の取得 |
出典:朝霞市「令和8年第3回定例会(9月)市長提出議案のご案内」
このうち、特にお伝えしたい2本を取り上げます。
1. 学童3クラブの運営者が変わります(議案第44号)
本町・栄町・泉水の3つの放課後児童クラブについて、指定管理者を指定する議案です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 朝霞市本町放課後児童クラブ/栄町放課後児童クラブ/泉水放課後児童クラブ |
| 指定管理者の候補 | 株式会社クオリス(大阪府大阪市浪速区難波中1-12-5) |
| 指定の期間 | 令和9年4月1日から令和14年3月31日まで(5年間) |
| 選定方法 | 公募 |
現在の指定管理期間が令和4年4月1日から令和9年3月31日までで満了することに伴うものです。
なぜこれが大事か
朝霞市の学童は、申込みが定員を超えています。市が公表した令和8年4月入所の一次申請データでは、公設放課後児童クラブ全10クラブで、定員1,243人に対して申請1,593人でした。
入れるかどうかも大事ですが、入った後の質はもっと大事です。指導員の配置、子どもへの関わり方、保護者との連絡。運営者が5年間固定されるということは、その5年間の放課後が決まるということでもあります。
議案書には候補者と期間が書かれていますが、選定の理由や評価の中身は議案書だけでは分かりません。私は委員会でそこを確認します。
2. タブレット10,780台、6億6,297万円(議案第47号)
こちらは財産の取得、つまり物を買うための議案です。金額が大きいため、議会の議決が必要になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 品目 | 学習者用タブレット型コンピュータ 10,780台/ケース一体型キーボード 10,780台/管理ソフトウェア 10,780台分 |
| 契約価格 | 662,970,000円(税抜) |
| 契約方法 | 随意契約 |
| 相手方 | 株式会社ライオン事務器(東京都中野区東中野2-6-11) |
| 仮契約日 | 令和8年7月27日 |
| 納期 | 令和8年10月30日 |
単純に割ると、1台あたり61,500円(税抜) です。10,780台は、朝霞市立小中学校の児童・生徒に一人一台を配る規模にあたります。
(なお市の参考資料は冒頭で「朝霞市立中学校」、議案書本文と品目欄は「朝霞市立小中学校」と表記しています。ここでは資料の表記をそのまま記載しています。)
「随意契約」について
随意契約は、競争入札をせずに相手を決める方法です。**それ自体が悪いわけではありません。**国の仕様に沿った端末を、既存の校内ネットワークや管理システムと問題なく組み合わせる必要がある場合など、合理的な理由が立つことはあります。
ただ、6億6,297万円は、市の年間予算の中でも大きな買い物です。私は元システムエンジニアで、いまも自分でサーバーを構築して運用しています。だからこそ、こういう調達では次を確認します。
- なぜ競争入札ではなく随意契約なのか、その理由は説明できるか
- 1台61,500円という価格は、他市の同種の調達と比べてどうか
- 端末の更新は5年程度で必ず来る。次の更新のときに、また同じ相手にしか頼めない状態になっていないか
3つ目が、私が議会でずっと問い続けてきたベンダーロックインの問題です。
なお、この10,780台の端末で子どもたちが何をするのか——生成AIの扱いについては、9月17日の一般質問で市に確認します。
→ 子どもが生成AIを使い始めたら|家庭で決めておくこと・学校のルール・朝霞市の現状
→ ガバメントクラウド移行の推進状況(運用経費が2倍になる見込みと答弁) → デジタル化推進について(公正取引委員会の調査では98.9%の自治体が既存ベンダーと再契約)
3. 決算6本と補正予算4本
議案第30号から第35号までが、令和7年度の決算認定です。一般会計、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療、水道事業、下水道事業。使われたお金が適切だったかを議会が確かめます。
朝霞市の財政は、貯金(財政調整基金)が令和4年度末の約29.7億円から令和6年度末の約23.5億円へ、2年で約6.1億円減りました。市自身も令和7年12月議会で、「新規拡充事業の費用を入れない状況でも令和12年度には財政調整基金が枯渇する」との見通しを示しています。
決算の審査は、次の予算を考える材料です。数字を眺めるだけでなく、どこにお金が足りていないのかを見つける場として臨みます。
議会は誰でも傍聴できます
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 9月8日・10日 | 常任委員会(総務・建設/教育環境・民生) |
| 9月16日〜18日 | 一般質問(私は9月17日、通算11番目に登壇します) |
一般質問では「学校教育における生成AIの利活用について」を取り上げます。今回のタブレット10,780台とも、直接つながるテーマです。
→ 朝霞市の学校のデジタルはどこまで進んだか → 議会映像の配信(市公式)
議決の結果は、市議会の公式ページで公表されます。この記事にも、決まった内容を追記します。
出典
- 朝霞市「令和8年第3回定例会(9月)市長提出議案のご案内」(議案第44号・第47号の議案書および参考資料)
- 朝霞市議会「議会日程」令和8年第3回定例会会期予定表
- 朝霞市議会「一般質問通告書」令和8年第3回定例会
